神経のある歯の治療後、しみる・痛むのは大丈夫?

結論からお伝えします
神経が残っている歯を治療したあと、しみたり、噛んだときに痛むことは珍しくありません。
ほとんどの場合は一時的な症状で、1か月ほどで落ち着いていきます。
大きな異常ではないので安心してください。
ただし、痛みが強まったり長引くときには早めにご相談ください。
実際にあった患者さんのケース
「銀歯を外して新しい詰め物に変えたあと、冷たいものを飲むとキーンとしみるようになった」という患者さんがいらっしゃいました。治療前には痛みがなかったため不安を感じたそうです。
ところが1週間ほどで症状は軽くなり、1か月後にはほとんど気にならなくなりました。
これは、治療によって象牙質が一時的に刺激を受けただけで、神経そのものが大きく傷んでいたわけではありません。
なぜ治療後にしみたり痛むのか?
歯は外側から「エナメル質 → 象牙質 → 神経(歯髄)」という構造になっています。
- エナメル質 … 外側の硬い部分。刺激を通さない。
- 象牙質 … 神経につながる小さな管があるため、刺激が伝わりやすい。
- 神経(歯髄) … 熱さ・冷たさ・噛む力を感じるセンサー。
治療で削った範囲が象牙質に及ぶと、この管を通じて冷たいものや噛む力の刺激が神経に届きます。
そのため、治療直後はしみたり、噛んだときに違和感が出ることがあるのです。
放置するとどうなる?
多くの場合は自然に治まりますが、注意が必要なケースもあります。
- 症状が1か月以上続く
- どんどん痛みが強くなる
- 夜眠れないほどズキズキ痛む
こうした場合は、神経が炎症を起こしている可能性があり、放置すると神経が死んでしまうリスクがあります。
その際は根管治療(神経の治療)が必要になることもあります。
当院でできること
当院では治療後の経過を丁寧に確認し、必要に応じて次のような対応を行います。
- 痛みが一時的かどうかの経過観察
- 噛み合わせの調整(強い力がかかっていないか確認)
- 必要に応じて神経を守る薬剤の使用
- 強い炎症が見られる場合は根管治療へ移行
「治療後にしみるのは自然な反応です」と説明しつつ、不安にならないよう定期的にチェックしていきます。
患者さんに安心して治療を続けてもらえるようにサポートします。
まとめ
神経のある歯の治療後にしみたり痛んだりするのは、象牙質が刺激に敏感になっているためで、多くは1か月程度で治まる自然な反応です。
ただし、痛みが強まる・長引く場合は神経の炎症のサインかもしれません。
「大丈夫かな?」と不安になったときは、我慢せずに早めに歯科医院へご相談ください。
当院ではネットや電話でのご予約も受け付けております。
安心して治療を続けられるよう、いつでもご相談ください。
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※医療監修
Tomo’s Dental Clinic
院長 杉山朋子(歯科医師)