歯がかけた・詰め物が取れてしまったとき-「やってはいけないこと」 先に読もう!応急手当

イラスト素材:欠けた歯くん

「痛くないから大丈夫」と思っていませんか?
実は、歯が欠けたり詰め物が取れたときこそ、「早めの対応が歯を守る分かれ道」になります。
ここでは、慌てないための応急手当とやってはいけないことをまとめました。

・なぜ痛くなくても注意が必要なの?

歯の内部には、神経(歯髄)を守るための薄い層があります。
詰め物が外れると、その部分が冷気・細菌・噛む力に直接さらされてしまいます。
はじめは違和感だけでも、放置すると虫歯の再発や神経の炎症につながることがあります。
つまり、「痛くない=大丈夫!」ではないのです。


・やってはいけないこと5つ

1 市販の接着剤で貼り直す
   歯科用のセメントではないため、かえって細菌を閉じ込めたり、
   うまく入らずに、高さが高くなってしまい、噛むと痛くなってしまったり、
   再治療が難しくなるケースも少なくありません。

2 欠けた部分を舌で触り続ける
   つい気になってしまいますが、舌を傷つけてしまうことがあります。

3 硬い物・粘着質なものを食べる
   欠けた歯や仮詰めの部分に更に負担がかかり、破損が進みます。

4 冷たい飲み物でしみるか確認をする
   刺激で痛みが強くなったり、神経を更に刺激することがあります。

5 そのまま放置してしまう
   唾液や細菌が入り込み、感染・虫歯再発のリスクが高まります


・正しい応急手当のステップ

1 外れた詰め物は捨てないでください
   ティッシュではなく、清潔な袋か小箱に入れて保管しましょう。
   歯科医院で再装着できる場合があります。
   (ティッシュに入れておくと、間違えて捨ててしまうことがあります)

2 うがいで軽く洗浄しましょう。
   強くすすぐと痛むことがあります。常温の水で優しくしてください。

3 なるべく早く歯科医院へ
  仮封・再装着・再形成など、状態に合わせた処置を行います。


Tomo’s Dental Clinicでは、緊急時の対応も行っています


・詰め物が取れやすくなる「背景」とは!

実は、詰め物の脱離や歯の欠けには生活習慣のサインが隠れています。

 ・歯ぎしり・食いしばりのクセ
 ・かみ合わせのずれ
 ・虫歯の再発
 ・経年劣化によるセメントの劣化
 ・酸性飲料の取り過ぎによるエナメル質の軟化

これらを放置すると、同じ場所が何度も壊れてしまう「再治療ループ」に陥ることも。
根本的な原因を見つけて整えることが、再発防止の近道です。


・再発を防ぐためのポイント

 ・定期検診で詰め物・被せ物の緩みをチェック
 ・歯ぎしり対策にたいとガードを使用
 ・酸の強い飲み物(スポーツドリンク、炭酸飲料など)を常飲しない

予防は修理よりも確実に負担が少ない対応だと思います。
「小さな欠け」だからこそ、早く直せば歯を守れます!


[よくある質問]

Q1 外れた詰め物をそのまま戻していいですか?

  →戻さないでください。誤飲や感染の原因になります。清潔に保管し、歯医者さんへ持っていきましょう。

Q2 休日や夜に取れてしまったときはどうすればいい?

  →痛みが強くない場合は、柔らかい食事にして早めに受診を。
   強い痛みがあれば、鎮痛剤を使用して早めに受診してください。

Q3 応急処置後は必ず治療が必要ですか?

  →はい。応急処置は一時的な保護です。再発防止には治療と原因分析が欠かせません。


まとめ

歯が欠けたり、詰め物が外れたときは、
「痛くないから」「忙しいから」といって後回しにせず、お早めの受診をお願いします。

適切な応急処置を行うことで、「歯を残せる可能性が高まります」。

Tomo’s Dental Clinicでは、緊急時でもできるだけその日に応急対応を行っています。

※医療監修
Tomo’s Dental Clinic
院長 杉山朋子(歯科医師)

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